教えて?こどものまちシンポジウム
文字起こししました。ぜひお読みください。
こどものまちEXPO2024年9月28日15時〜16時@BankART Station
岩室:本日は全国でさまざまな形のこどものまちを主催する方達にあつまっていただきました。こどものまちの魅力について、そしてさまざまな質問に答えていきたいと思います。
事前にいくつか質問をいただいています。
まずは今、みなさん自分のまちのポスターの前にすわっているのですが、まずは自分の関わっているまちを含めた自己紹介をしていきたいと思います。
ミニヨコハマシティ:岩室晶子
私はNPO法人ミニシティ・プラスの岩室と申します。2007年からミニヨコハマシティをやっています。コロナ禍ちょっとお休みをしたのですが、なんとかずっと続けてきました。今日、こちらでミニヨコハマシティを行っているのですが、ここバンカートステーションはアートギャラリーで普段は現代アートの作家さんが展示などをされているところです。こどものイベントを行うのは非常にめずらしいのですが、こどもたちが自由にアーティストのように使わせていただいていて、とてもありがたく。
(大人ツアーで)中をみたかたもいると思いますが、19才までのひとりで参加できるこどもが対象です。
こちらのみなとみらいで行うのは2回目で、その前は横浜市役所でやりました。その前はずっと都筑区で行っていたので、まだまだこちらでこのイベントが浸透していないかなと思っています。ようやく少しずつ参加も増えてきました。
キッズタウンKINJO:小田奈緒美
名古屋の金城学院大学というところで准教授をしています、小田です。もともと岡山の大学に勤めていました。そこでこどものまちの研究をしていました。そして大学生が主催するこどものまちという企画を行っていました。コロナの頃、名古屋の地元に戻って、学生と一緒にすすめています。岡山ではこどものまちを公民館だったり、小学校だったり、大学でやったり、どこで実施するのがこどもたちにとってよいかを試しながら研究していたのですが、コロナで施設を借りるのは難しくなり、いまは大学で実施しています。岡山と名古屋のこどもの違いなどもあっておもしろいです。今お会い出来ることを楽しみにしてきました。
ミニさくら:金岡香菜子
千葉県佐倉市で「ミニさくら」をもう22年くらいやっています。私自身「かなちゃん」として、2002年に初めてミニさくらが実施されたとき、こどもとして参加していました。小学生だったのですが、次の回からこどもスタッフとして参加し、そこから会の理事になり、いまはNPOこどものまちの代表、理事長をしています。平日は普通にサラリーマンをしています。ミニヨコには15年ぶりに来ました。会場変わったり、やり方変わったりしてるけど、なんかなつかしいなあと思っています。今日はよろしくお願いします。
ミニカワサキ:大城恵理子
お隣の川崎市のミニカワサキです。私たちはミニヨコハマを見学に来た大人たちが、自分達のまちでもやりたいと集まり、川崎で実施している任意団体です。2018年2019年と実施したあとコロナになってしまい、いちばんこどもたちがやる気がでていたときにコロナになってしまい、その中でもなんとかやり続けようとしていました。そこを小田先生に取材していただき、今日ここで販売している「こどもまちで世界が変わる」にもそのことを書いていただいています。川崎市は学校が二期制なので、前期を後期の中間の秋に行います、まさに現在準備中です。今日はこどもたちも来ているのであとで覗いていただければと思います。私たちは公園で実施しています。今年新しくパークPFIと事業を行っていて、公園のリニューアルをしていくのに合わせて、こどものまちを広げていくということにチャレンジしています。
とさっこタウン:森岡眞秋
四国の高知市から来ました森岡です。とさっ子タウンを運営している、NPO高知市民会議の理事をしています。私たちのNPOは、中間支援組織として高知市市民活動サポートセンターの指定管理をうけていますが、お年寄りの利用者が多く若い人の利用が少ないのをなんとかしようということで、こどもに関する事業をやったらどうかということになり、2009年にとさっ子タウンをスタートしました。とさっ子タウンは、高知市文化プラザかるぽーとを借りて行っています。今年も8月に行いました。連続参加の方に限っているのですが、今年は492名が参加しました。
ミニかさ横丁:樋口史子
岐阜県の笠松町からきました、樋口です。愛知県から岐阜に入って名鉄の1つめの駅のある「笠松町」は人口2万人くらいのちいさな町です。2012年からちょうど12回目、コロナ中もずっとやってました。ミニカワサキと同じく、笠松も学校が二期制で10月は秋休みがあり、10月12日13日に今年も行います、いま準備が佳境です。今年は30人くらいの実行委員のこどもたちが準備し、当日は300人限定としていますが当日はもう少しはいってもらっています。元公民館で、現在、中央交流センターという名前になっていますが、3階建てで全部を使って行います。
ミニとちぎ:堀達哉
栃木から来ました、堀です。三重県出身なので「みえけんぞう」と呼んでもらってます。ミニさくらの2回目2003年から関わらせていただいたのですが、仕事で市民活動の支援をしていて、その関係で栃木の小山に引っ越ししました。中村桃子が中心になって2015年に栃木県栃木市にミニとちぎをはじめました。間コロナでお休みもしました。最初は山の上にある青少年研修センターで行っていたのですが、ミニさくらのように、まちの中でやろうと思って交渉し、受け入れてもらえたところでコロナで中止になり、間(あいだ)をあけて、今は栃木市のまちなかにある市立中央公民館でやっています。なかなか屋内から脱せないという状態が続いています。桃子さんがミニさくらに関わっていたつながりがひろがり、よそのまちの支援もするようになっています。
栃木にはおやこ劇場があり、佐倉同様におやこ劇場イズムがいかされていて、こどもたちを大切にしていく、ということが根っこの部分にあります。
こども四日市:藤田凜(こども市長)
2004年に始まったこどもがつくるこどものまちというイベントで、こども四日市の代表の藤田です。こども四日市は、他のどのまちとも似ているのですが、こどもたちがやりたいと思ったことを形にする、こどもたちがお店をつくり専用通貨でお仕事をしてかせぐ、というイベントです。ミニカワサキさんと同じで地元の公園を使わせてもらってやっている屋外のイベントです。よかったらポスターをみていってください。私は2022年からこども市長を2年間やらせていただいています。
司会:岩室
事前に「運営の主体はどのようになっているのか」という質問がありました。
- ミニヨコハマシティ
NPOが運営している。助成金や企業、一般の寄付などで運営している。
半分ボランティア、半分仕事(有償)。ミニヨコの予算規模は100万くらい。ボランティア(お弁当のみ)に支えられてる。ボランティアだけだと当日突然来ないということが起きるので、コアになるところだけは有償。しかし最低賃金にもなってはいない。
- キッズタウンKINJO
大学で行っている。実行委員会形式にはしているが、基本は大学生が主体となり,企画している。最初は助成金をもらっていましたが、なるべく少ない金額で運営できるようにしている。10万以下くらいでできるようにしている。大学生にボランティアでがんばってもらっている。
基本は依頼先があって実施しているので、その中の予算で行っている。コロナ後30人〜100人くらいの規模なのでそのくらいでできる。
- ミニさくら
最初はおやこ劇場をやっている人達が核になり、はじまった。次年度はその団体では手に負えなくなり、実行委員会に。その後その実行委員会がNPO団体をつくった。費用的には10万くらい。あまり寄付や助成金を集めるのが得意ではない。参加費だけでまかなっている。大人の方は全員ボランティア。私も理事も含めて全員ボランティア。
- ミニカワサキ
やりたいと言い出したママ友、パパ友ではじまった。いま7年目になるのですが、(任意団体で)助成金が取れる期限がきてしまっている。これからNPO法人にしていくかどうかを考え中。公園でやっているのでテントを借りるのにお金がかかる。イベントのオンシーズンに行っているのでそれもたいへん。
- とさっ子タウン
NPOが主体となり、高知市市民活動サポートセンター・認定特定非営利活動法人NPO高知市民会議、公益財団法人高知市文化振興事業団・高知市文化プラザ共同企業体などの組織と実行委員会で実施。
予算規模は170万円位。グッズを発売して寄付を集めたり、地域のお店でワイン1本のむと100円などで協力してもらい、資金を集めている。参加者からは2日間で1000円いただいています。
- ミニかさ横丁
実行委員会で行っていたが、こども会議に来るこども達が、児童館の建設に関する提言をしたり、こどもの権利条約をつくる提案をしたりするようになり、こどものまちだけではない活動も行うようになり、今年度NPO法人化しました。
ミニかさ横丁は、イベント会場の建物を借りるのに30万くらいかかり、その他あわせて60万くらいの予算がかかります。大人は全員ボランティア。お昼ご飯だけをだします。
- ミニとちぎ
最初は栃木おやこ劇場を核としてスタート。その後、実行委員会形式になりました。予算は子どもゆめ基金のおかげもあって当初40万くらい、現在20万くらい。企業からの現物協賛もあるのですが、およそそんな回し方をしています。
司会:岩室
「こどもの集め方についてどうしているの?」という質問がありました。
- ミニヨコハマシティ
ミニヨコの他に、ジュニア編集局をやっていて、こどもたちがつくる小中学校に配られる新聞に掲載したり。ミニヨコ市民に登録しているこどもが300以上メールアドレスがあるので、そこに投げかけたり。当日のチラシは近隣の小学校に配布されてもらっています。
- キッズタウンKINJO
岡山にいたときには教育委員会の後援をとって近隣の小学校にチラシを配って募集していました。名古屋にきてから依頼があって実施している。コロナのときに体育祭などこどもたちのイベントが全て中止になったことで、こども向けのイベントをやってほしいという依頼(放課後児童クラブなど)があって実施している。
- ミニさくら
佐倉市と教育委員会の後援をとっているので市内の小学校と中学校にチラシを配布しています。市内のイベントにミニさくらのちっちゃい版を持っていって、こういうのを春にやるよ〜と宣伝することもある。
- ミニカワサキ
教育委員会の後援をとって、小学校にチラシを配っています。最初からこどもたちと一緒に考える事ができなかったので、前年度に運営市民となるこどもたちに呼びかけて、年間を通して「まちづくりクラブ」として、活動しています。(運営するこどもと当日来るこどもの)二重に公募しています。
- とさっ子タウン
高知市、高知市教育委員会の後援をもらい、小学校4年生〜中学3年生を対象に、学校でチラシを配布。NPO高知市民会議が、指定管理をしている高知市市民活動支援センターの事業としても位置づけられているので、市の事業といえます。高知市内の小学校は、高知市教育委員会の便でチラシを配送してもらい、高知県内の学校は、県教育委員会から後援をもらっているので、県内の小学校中学校には郵送等で配送しています。
- ミニかさ横丁
教育委員会の後援をとっている。もともとスタートするときに、教育長に直接「こういうのやりたいんです」と話しにいける。小さい町だから。行政はとても好意的。実行委員の子どもたちの募集は小学校5年生から中学3年までに配って、当日のイベントのチラシは隣町も合わせた小学校中学校4000人くらいに配ります。前年度の実行委員にはお知らせを直接します。実行委員から友達に声をかけても、もらっている。
- ミニとちぎ
栃木市と小山市が栃木おやこ劇場の活動範囲ということで、それぞれの市の後援をとって全小学校にチラシを配布していた。コロナ以降規模が縮小して、いまは栃木市内の小学生だけに配布している。ミニカワサキと同じで実行委員募集、当日参加者募集と募集は2段階で行っています。
司会:岩室
こどものまちをしていて、こどもを集めるのに苦労しているという話はあまり聞きません。こどものまちをはじめて行うときに、こどもがひとりも集まらないのではないか?と心配される方もいるようですが、その心配はないと思います。すくなくとも数名があつまり、準備するこどもたちがお友達を呼んで来て、だんだん増えていきます。
今年、今日ここにいる数名がミニミュンヘンに参加してきました。3週間開催し、こどもの入場料も無料というミニミュンヘンを意識しているこどものまちは多いと思います。せっかくなので今年のミニミュンヘンについて、話題にしたいと思います。
小田さんいかがですか?
小田:小田:私はミニミュンヘンに1週間、そのあとベルリンのフェッチティに行ってきました。ミュンヘンは3週間、フェッチティは6週間連続で開催しています。日本のこどものまちはだいだい1日か2日くらい。ドイツは長期間開催されるので、市長選挙を行っても、市長の公約を1週間かけて実現する、というようなシステムが成立するというところが本当のまちのようだと思います。参加人数も1日2000人くらい来るのでドイツは規模が大きいのですが、それを開催するのに「市」が協力的だなと思います。
岩室:ドイツに1年留学していて、今年のミニミュンヘンのスタッフとして働いていた橋本さん(もとミニヨコハマシティ市長)も少しお話しお願いします。
橋本:私はミニミュンヘンで都市計画ワークショップのところをお手伝いしていました。ミニミュンヘンを実施する前に、模擬ミニミュンヘンをやったり、ミニミュンヘンの開催に協力してくれる鉄道会社やバス会社にメールを書いたり、毎年協力してくれているお店や企業に挨拶メールを出したりとか、そういうことを(準備段階で)コンスタントにやっていて、私はそういう(事前準備)のにも4回くらい参加してきました。本番のミニミュンヘンでは都市計画事務所にいて、こどもたちとまちのプランニングをしていました。開催していたファット キャット文化センター (旧ガスタイク内) が新しくこどもための施設に生まれ変わるかもしれないという構想があり、ミュンヘン市のまちづくりの責任者がミニミュンヘンの都市計画事務所にきて、こどもたちと意見交換したりとか、都市整備局の方がきてプランについて確認しあったりとか、またプランをつくった大人たちがこどもたちの前でプレゼンをして意見を聞いたりだとか、まちづくりにこどもたちが参画できるような場として、ミニミュンヘンが活躍しているなあという印象を受けました。
司会:それでは会場から質問ありますか?
質問:今年はじめてうちの組織(京都府)でもミニミュンヘン的なことを行います。継続的に行っていくときに、2年目3年目、また5年目10年目とこどもたちの変化、また大人たちの変化について、教えてください。
金岡:ミニさくらはもう22回目になります(笑)。コロナでオンライン開催ありましたが。20年もたつと年を取ります。私は12才だったけどいまは33才になりました。昔から関わっているスタッフがどんどん年を取り、高齢になっていくので、新しい若いスタッフの力が必要になってきます。中心メンバーの中に70代80代の方がいます。去年は大学生にきて手伝って貰ったりとかして助かってます。あと、こどもたちが変わったなと思います。ミニさくらはゼロから作らなくてはならないこどものまちなのですが、こどもたちがやりたいことが変わってきている、かなりヒントをあげてようやくやっていいんだと動く。そのヒントをあげることのできる大人を育てるのが難しいと思っている。来るこどもの低年齢化もそうだし、保護者の方も感覚が変わってきている。こどものまちをはじめた頃の保護者と違ってきている。そういう大人をどうやって巻き込んでいくか、こどもがやりたいことを引き出すことのできる大人を育てるのが難しいと感じています。
岩室:ミニヨコでは私自身が同じ事を繰り返しやるのが好きじゃないのもあり、こどもたちには新しいことに毎年チャレンジしてほしいなあと願ってます。たとえば、焼きそばやさんをやったこどもが、今年も、また来年もやきそば屋さん、というのではなく、たくさんのさまざまな体験をしてほしい。だから同じことをやろうとすると、本当にそれでいいの?と問いかけたりします。もちろんやっていけないことはないけど、できれば新しいことにチャレンジしてほしい。大人になって焼きそばやさんをやってつぶれたら困るけど、こどものまちでは失敗しても何度でもやり直せる。毎年同じ事をやろうとしたり、大人のお店をなぞるようなことよりも、大人が思いつかないようなお店をやってほしいなあとおもってます。
堀:ミニとちぎの仕事ブースで放送局をやっていたら、地元のケーブルテレビ局が関わってくれるようになり、その大人の方が同僚に説明するのに「これはキッザニアのような職業体験だから」といったんです。それを否定するものではないけれど、子どもたちへの向かい方にも関わるので「こどものまちの放送局は、まちの情報をあつめ、共有するため。まちの全体像をつかむために、こどものまちの放送局はあるんです」と伝えたら、ゲーブルテレビの方達がすごく合点がいったらしくて。考えてみたら、地元のゲーブルテレビはリアルに、自分の街のために同じ事をしている訳で、だから腑に落ちたようで。趣旨を丁寧に伝えることで、そういう気づきが大人にも起きる。自分たちが大切にしてきている事柄を伝えることが大切。
大城:ミニカワサキは2年目の苦労について話したい。1年目すごくこどもも大人スタッフも楽しかった。2年目に保護者が勝手にこどものまちに申し込むということがおきた。保護者がこどもにこんな体験をさせたい!が先行してやりたいことを書いて(たぶん保護者が)勝手に申し込みしてくる。こどもが「こんなのやりたくなかった」ってこどもが一部でた。やりたいこどもだけでやっている場合には楽しいんですが、やりたくないこどもに引きづられて会議が成り立たなくなることがおきた。その経験から、こどもたちの発案で、こどもたちがやりたいことを直筆でかいた応募用紙を写メなので送ってもらうことにした。さらに「選考します」と書いたら全然雰囲気が変わりました。大人のやらせたいこととこどものやりたいことがずれるというのを最初の方は気をつけた方がよいと思います。
小田:2年目に継続していくために必要なのは、お金、人材(私たちは学生はうちで育てて派遣します)、ノウハウはお渡しできる、貸し出せるものもある。地域の中でいろんなこどものまちができれば活性化していく、連携をとっていけるように人材をうまくまわすことができます。私たちは教育機関なのでこどもたちへの教育効果を測定しています。なにも知らないで参加した事前のこども会議のとき、本番、そして1ヶ月後。そうするといちばん効果があがっているのは一ヶ月後でした。私たちは最初当日が、いちばん効果があると思っていたのですが、効果が持続するとわかりました。他のまちからもアンケートを分析してほしいということはいわれたりします、そういうことも使っていただければよいと思います。
質問:私は弘前でこどものまちを体験し、今年はじめて「はこだてっこ」をはじめてやりました。僕が体験したこどものまちは事前にこどもたちを集め、大学生が主体となって準備している。他のまちで小学生だけの会議でどんな問いかけをしているかを教えていただきたい。
ミニヨコ:こども会議はいちから作るまちの話からする。会場や時期は大人が決めているので、それを子ども達に伝えて、まちのコンセプトやテーマを考えるところからスタートします。たのしいまち、にぎやかなまちなど漠然としたところからはじまり、昨年ははじめてここ(バンカートステーション)で行ったことでココが地下にあるので「地底人のまち」というテーマになりました。
その次に「まちに必要なものはなにか?」を出し合います。お店だけでなく、たとえばゴミ処理も必要だけど、やる子どもがいなかったり。そうすると話合いで、交代でやろうとか、大人にお願いできないかとか。またたとえばホットケーキやさんが何店舗もできそうなことがあり、話合いをしてすこしづつ変えていったり。そうやって運営しています。
とさっ子タウン:とさっ子タウンにはこども会議はありません。こどもを卒業したOBがこどものまちを熟知していて検討会議(毎月の実行委員会)をして大学生と一緒に運営しています。
ミニカワサキ:私が都市計画の仕事をしていることもあり、まちを認識するということからやるので小学1年から高校生くらいまでいるとまちに対する認識が違うので、そもそもまちになにがあるかをまち探検します。最初の会議でおやつを買いにいくというミッションで住宅街を歩くチームと商店街を歩くチームに分かれてまち探検をし、まちでどんなお仕事をしている人がいるかを考え、自分たちのおとうさんやおかあさんの仕事についても考えます、それが最初の会議です。
質問:ミニ小金井をしています。今日ミニヨコでは税金を集めていました。公共事業に使われるという説明でしたが、こどもたちの税金の使い方についてなにかおもしろいアイデアがあったらおしえてください。
ミニカワサキ:法人税、所得税などを集めています。今年は宝くじの資金にしようという意見がでてます。
ミニヨコ:こどもたちに税金の計算をしてもらうと、「岩室さん、たいへんです、市役所が大赤字です」と(笑)。私は「まちの立ち上げにはお金がかかるから赤字になってもしかたないんじゃない?横浜市役所のだいぶ赤字です」といったり。なかなか税金の使い道の教育までいけてない。
ミニかさ横丁:税金を緊急雇用対策に使ったことがある。仕事がなく失業している人のための雇用対策として、ウエットティッシュがまっくろになるまで掃除をしてきたら時間にかかわらず税金の中から給料が支払われるなど。他には宝くじの資金やじゃんけん大会をやったり。市長が急にたくさん秘書をやとうことになったりとか。そんなことに使われています。
ミニさくら:2つの税金があります。働いた税と売り上げた税。給料もらうときに引かれる税金が働いた税。売り上げた税は、税務署が適当な時間にそのときの適当な税率でお店にとりにいくのが売り上げた税。税金は宝くじに使われたり、ミニさくらでは結婚したり養子縁組すると市役所からお祝い金がでるしくみがあってそれが税金から払われたりします。各お店が軍資金をもっていて、それをもとにお店の看板を豪華にしたり、他のものを売りたいとかで、材料を市場で調達するのですが、そこで集めたお金を公共ブースの軍資金に回すことがあります。
とさっ子タウン:市長が税率を決めています。税率が変わるとハローワークの窓口が開けづらくなる。次の仕事に間に合わなくなる。(そういうことがおきると)次の選挙ではこどもたちが税率をあげることに賛成したりする。
質問:みなさんが取り組んでいることの成果について、そしてどんなゴールがあるのか、を知りたい。
ミニヨコ:私たちは「まちにかかわる人が増える、それがよいまち」という理念があります。私自身は大人になるまでまったくまちを見ていませんでした。音楽が好きでそれ一筋で。まちがこんなにおもしろいなんて、それをとりもどすかのようにいま関わっている。こどものころからまちにかかわる、こどものまちから、自分のすんでいるまちに興味がわくようになり、まちにかかわる大人にそだっていきます。まちにかかわる人をミニヨコは育てています。みんなでまちをつくえれば絶対によいまちになると思っています。
とさっ子タウン:今日も来てくれていますが、とさっ子タウンは次世代が育っていっています。またとさっ子タウンは50くらいの体験ブースがあるのですが、そのブースで仕事を体験したあと、得られたこどものまちの通貨を実際のリアルなまちでつかえる仕組みもあります。
さらに高知市には「こうちこどもファンド」という仕組みがあります。これはミュンヘンの「こども青少年フォーラム」を模したものですが、こどもたちがまちへの提案をし、ジャッジもこどもたちが行い(こども審査員)、そして通った提案は20万円までの助成金が出て、こどもたちが実際のまちづくりに参画するという仕組みがあります。大学生以上になると今度は大人の「まちづくりファンド」があります。こどもから大人までトータルでまちづくりに関わることができます。最終的にはシチズンシップの育成につながる、と思っています。
司会:やはり最後にこどもから大人になるまで参加しているこの方が成果そのものだと思うので、かなこさんお願いします。
ミニさくら
ミニさくらはたぶん他のまちとちがって、こどもたちが楽しければいいよというまちなのです。(実施している)団体の理念としては、地域の活性化やこどもたちが自分で考え、実行できる大人に育てるという、それを地域のみんなでやる、ということを掲げてやっています。その成果として長くこどものまちにかかわっている人がうまれる。最近成果とはなにかとよく聞かれるのですが、時間はかかるのですが、こどもたちが大人になったときにあのときこうだったな、と気がつくことが成果だと思っています。私はこどものまちの経験をして、いろんな大人と知り合って、いろんなこどものまちを訪問したことで、いろんな人がいるなってこと、自分のやりたいことがわかったように思う。たぶん、人が人生を歩んでいくときには決断の連続で、そのどういうふうに決断しようかなというときの最初に入り口がこどものまちでの経験だったと思う。これから先も日本中のいろんなこどものまちで続いていってほしいなと思ったんです。そうしていくと自分の考え方を発信する、それをやる、やりとげることができるこどもが大人になって社会ができていく、まちができていくというようになると思っています。
司会:めちゃめちゃよい締めをありがとうございます。
もっとこどものまちを知りたいという方はぜひ「こどものまちで世界が変わる」をご購入ください!本日はありがとうございました。